研究課題/領域番号 |
08672036
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
北野 滋彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30161483)
|
研究分担者 |
茂木 豊 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80266717)
堀 貞夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20143498)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 網膜神経節細胞 / 興奮性アミノ酸 / 虚血 / 熱ショック蛋白 / ミュラー細胞 |
研究概要 |
我々は、新生児ラットの網膜神経節細胞(RGC)を脳星状神経膠細胞または網膜ミュラー細胞上に植え付けることにより、長期間の培養に成功した。虚血性網膜障害の病態生理を究明する上で、この培養RGCを用い、虚血に対するRGCの感受性、および興奮性アミノ酸によるRGCの興奮毒性を検討し、さらにRGCにおける興奮性アミノ酸レセプターの分布を明らかにした。つぎに72-kDa熱ショック蛋白(HSP-72)の発現が、RGCにおける虚血耐性に関与するかを検討するため、HSP-72の誘導抑制作用のあるケルセチンを用い、網膜虚血に対する防御作用の抑制をRGCにて研究した。培養RGCを、37℃に保温されている密閉された容器に、0%02、5%CO2、95%N2ガスを潅流させて低酸素状態にして、虚血負荷を加えた。培養RGCの生存率は、その回復時のトリパンプルー排除率から算出した。致死下の低酸素負荷によるHSP-72の発現は、抗HSP-72抗体による免疫組織化学および免疫電気泳動にて検索した。この致死下の低酸素負荷で前処置した後に、さらに高度の低酸素負荷をした場合の培養RGCの生存率を対照群と比較した。加えて、前処置においてケルセチンを投与した場合の生存率の変化を検討した。致死下の低酸素魚荷(10%02、3hrs)によるHSP-72の発現は、ケルセチン(100μM)の投与によって有意に抑制された。培養RGCの高度の低酸素負荷(0%02、3hrs)後の生存率は、前処置として致死下の低酸素負荷を加えると有意に上昇した。しかし、前処置においてケルセチンを投与すると、前処置による培養RGCの生存率の上昇が有意に抑制された。この効果は濃度依存性に認められた。培養RGCにおける虚血耐性は、HSP-72の誘導抑制作用をもつケルセチンの投与により抑制された。この結果から培養RGCの虚血に対してHSP-72は防御的に作用することが示唆された。
|