研究課題/領域番号 |
08672055
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
瀬尾 孝彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (60262911)
|
研究分担者 |
伊藤 不二男 名古屋大学, 医学部, 医員
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 人工臓器 / 臓器灌流 / 肝灌流 / 体外循環回路 / 臓器温存 / ECMO / 膜型人工肺 / 肝虚血 / 臓器潅流 / 肝潅流 / 肝細胞 |
研究概要 |
平均体重5kg(3.5-6.0kg)の幼犬15頭と、平均体重9.8kg(6.8-12.2kg)の離乳直後の幼ブタ18頭を用い、新生児用高木式自動制御血液ポンプと膜面積0.5m^2の膜型人工肺を接続した回路で、肝静脈-門脈バイパスによる生体内分離肝灌流を施行した。肝灌流量を10、20、30ml/min/kgの3群に分け4時間まで還流し、灌流開始後4時間まで各時間毎に肝と血液を採取し、生化学的変化と、光顕と透過電顕による組織学的変化を調べた。その結果、生化学的には、幼ブタでは各群とも肝逸脱酵素の上昇は軽度で虚血や鬱血の程度は軽度と考えられ、ATP、ADP、AMPから算出した肝のenergy chargeもほぼ正常に保たれた。光顕的には4時間まで肝細胞索の形態は保たれ、類洞や中心静脈、グリソン域の血管の形態にも異常を認めなかった。電顕的には、灌流2時間までは肝細胞の変性の所見は極く一部の細胞に限られたが、灌流3時間を経過するとミトコンドリアと小胞体の膨化、グリコーゲン顆粒の減少した細胞がまばらに観察され、ショックと同じ病態、あるいは原因が限られた細胞に働いたと推測された。10ml/min/kgでミトコンドリアの膨化がやや多いと思われたが、有意ではなかった。代謝学的には、全身は無肝期には徐々に血糖が上昇し、肝では開始後に血糖が上昇し、以後徐々に減少し、流量が増加するほど著明であった。総コレステロールと総蛋白は全身血中は時間の経過と共に徐々に低下し、やはり肝灌流、無肝期が脂質代謝にも影響を及ぼしていると推測された。灌流血中の総コレステロールは灌流開始とともに急速に低下し、以後ほぼ同じ値を保ち、流量との関係は認められなかった。今後、全身、肝の正常に代謝を維持するための検討が必要である。
|