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歯周病原性細菌由来リピドAのヒト単核球細胞活性化による細胞内情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08672067
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関大阪大学

研究代表者

小川 知彦  大阪大学, 歯学部, 助教授 (80160761)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 内毒素 / リピドA / ヒト単核球細胞 / 細胞内情報伝達 / サイトカイン
研究概要

本研究は,Porphyromonas gingivalis LPSの活性中心であるリピドAが,低毒性でかつ様々な免疫薬理学的作用を発揮するという宿主の免疫応答機構の一端を明らかにするため,同リピドAのヒト末梢血単核球細胞に対するサイトカイン産生誘導機構について,内毒素性大腸菌型合成リピドAのそれと比較し細胞レベルで検討した.すなわち,サイトカイン産生はELISA法,サイトカインmRNA発現はnorthern blotting分析,同細胞内のチロシン,セリン,スレオニンのリン酸化はwestern blotting法によりそれぞれ分析した.さらに,種々のprotein kinase inhibitorを用いて,両リピドAによるサイトカインの産生誘導能の抑制を総合的に調べることにより,これらリピドAのサイトカイン産生の調節機能に関与する情報伝達系の異同を明らかにした.まず,1)P.gingivalisを嫌気的条件下で培養後菌体を集め,その凍結乾燥菌体から温フェノール/水法によりLPSを抽出後,ヌクレアーゼP1による酵素処理および超遠心操作を繰り返し精製した.精製LPSを0.6%酢酸で2.5時間加熱処理後,クロロホルム/メタノール/水/トリエチルアミン混合液を加え分配を実施した.その下層画分をシリカゲルカラムクロマトに供し,リピドA画分を得た.大腸菌型の合成リピドA(compound 506)は,市販品を用いた.2)P.gingivalisリピドA刺激した単核球細胞は,compound 506のそれに比較し弱いIL-1β産生および同mRNAの発現を示した.また,両リピドA刺激した単核球細胞における細胞内リン酸化蛋白の誘導については,種々のチロシン,セリン,スレオニンリン酸化蛋白を検出した.さらに種々のprotein kinase inhibitorを用いて,サイトカインの産生に及ぼす影響について検討した結果,特にP.gingivalisリピドA刺激により細胞内のカルモジュリンキナーゼの活性化が認められた.
P.gingivalisリピドAならびにcompound 506によるヒト単核球細胞からのこれらサイトカイン産生誘導ならびにその細胞内情報伝達系の結果から総合的に判断すると,P.gingivalisリピドAの低毒素性は,同リピドA刺激によりヒト単核球細胞内のカルモジュリンキナーゼが活性化されることにより,結果的にIL-1β産生が抑制されるものと推測される.ちなみにIL-1βは,LPSが内毒素性を発揮する際に重要なサイトカインに一つとして知られている.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tomohiko Ogawa: "Differential induction of IL-1β and IL-6 production by the nontoxic lipid A from Porphyromonas gingivalis in comparison with synthetic Escherichia coli lipid A in human peripheral blood mononuclear cells" FEMS Immunol.Med.Microbiol.14・1. 7-13 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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