研究概要 |
ラット胎仔期から歯牙萌出に至るまでの歯周組織発生過程、および再生過程におけるアポトーシスの検索を行った。発生過程の口腔組織および歯肉切除後の再生過程をp21/waf-1,、p27/kip-1,BaxおよびBakの発現を観察するために、in situ hybridizationおよび免疫組織化学染色を行った。歯周組織発生過程では、帽状期の歯胚、エナメル芽細胞のエナメル質形成にいたる時期、歯牙萌出過程での退縮エナメル上皮、歯冠萌出の際の扁平化した退縮エナメル上皮と口腔上皮が癒合する部分にアポトーシスの関与していることが明らかになった。さらに、これらのアポトーシスの部分にアポトーシス発生に関与したp21/waf-1,、p27/kip-1,BaxおよびBakの発現が観察され、他の部位で、特に、細胞増殖活性の活発であるところでは、アポトーシスの抑制に関与したBcl-xL,Bcl-2の発現が認められた。 以上の結果から、歯周組織発生過程および再生過程では、形態的にも遺伝子レベルでもアポトーシスといいうる多くの細胞死の観察されることが明らかとなった。
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