研究概要 |
1、顔面,口腔領域における副交感神経による反射性血管運動に対する視床下部の役割を検討した。 2、ネコをケタミン筋注にて入眠後、両側迷走神経及び脛部交感神経を切断後気管内挿管し、ウレタン-クロラロース-パンクロニウム-人工呼吸(50%O_2-50%air)にて麻酔を維持した。舌神経を露出し中枢性に電気刺激(2ms, 10Hz, 20s, 30V)し下顎口唇に反射性副交感神経性血管拡張反応を起こした。視床下部の刺激は電気刺激(2ms, 0.5-100Hz, 30s, 50-500μA)と化学刺激(D, L-homocysteic acid, 1M, 0.2 microl)で行った。 3、 (1)前視床下部の電気刺激(50-500μA)で刺激の強さに応じて制御した,(2)刺激の周波数は50Hzで最大の抑制を示した,(3)GABA受容体の拮抗剤,Picrotoxin (2 mg/kg、iv)の前投与により完全に抑制が消失した,(4)視床下部中で,前視床下部が最も効果的に抑制を示した,5)興奮性アミノ酸,D, L-homocysteic acidの前視床下部への投与により有意な抑制がみられた。 4.副交感神経反射による顔面,口腔領域における血管運動に対し前視床下部にGABA性の抑制線維が存在することが示唆された。
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