研究概要 |
1.Er:YAGレーザーの根尖切除への応用 <実験方法>ヒト単根抜去歯を用いた.Er:YAGレーザーと電気エンジンを用い根尖切除を行い,切削能率の比較,根尖切除面のSEM観察,根尖切除面の色素浸透性の比較を行った. <結果>1.切削能率はレーザーが電気エンジンに比較して有意に劣っていた.2.レーザーによる切除面には凹凸があるものの,スメア層は認められなかった.電気エンジンによる切除面は平滑ではあったが全体がスメア層で覆われていた.3.根尖切除面における色素浸透性は両群間で差は認められなかった. 2.Er:YAGレーザーの逆根管充填窩洞形成への応用 <実験方法>ヒト単根抜去歯を用い,根管充填,根尖切除を行った.Er:YAGレーザー,超音波を用い,逆根管充填窩洞形成を行った.形成時間の比較,根尖切除面における根幹の断面積増加率,窩洞形態のSEM観察,およびEBAセメントによる逆根管充填を行い,窩壁の色素浸透性の比較を行った. <結果>1.レーザーは超音波に比較して有意に短時間で形成可能であった.2.根尖切除面における根管断面積増加率はレーザー,超音波間に差は見られなかった.3.レーザーによる形成面ではdebris,ガッタパ-チャ,シーラーは観察されなかった.窩洞外形は不整形であり,窩縁部で広がっていた.超音波では窩壁にdebrisとシーラーが観察された.窩洞外形は円形であり,窩洞形態は円筒状であった.4.色素浸透性はレーザー,超音波間に差は見られなかった. <考察>以上の結果からEr:YAGレーザーの根尖切除術への臨床応用の可能性が示唆された.
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