研究概要 |
1.4倍大歯牙石膏模型を測測し、これらの計測データを仮想排列用の人工歯(以下,仮想人工歯)として利用し、また,仮想人工歯の輪郭ならびに切緑・辺緑隆線相当部を抽出してこれを概形人工歯として利用した。さらに、個々の歯牙模型の計測データからその中心(重心)を求め,この点を中心に計測データのアフィン変換を行うことにより,概形人工歯や仮想人工歯の水平移動,回転移動,拡大・縮小を行った。概形人工歯による表示位置決定後,表示変換後のデータに基づき仮想人工歯のサーフェス表示を行った。これにより,パソコンのモニター画面上に上下顎堤の咬合面観のサーフェス表示を行い,この画面上で概形人工歯や仮想人工歯の移動を行った。排列基準としては,前歯部については、上顎咬合床の前縁を抽出して利用し,また,臼歯部については,仮想咬合平面に対する臼歯顎堤の左右的な傾斜角度を利用した。 隣接する仮想人工歯のコンタクト状況については、概形人工歯の輪郭の接触状況を,モニター画面上で視覚的に判断することにより行った。この点については、仮想人工歯の隣接面の計測データを利用する方法についてさらに検討する予定である。 3.仮想排列モデルとして,仮想人工歯上下28歯を作製し,上下無歯顎堤の上に表示することにした。咬合面観については,咬合床や顎堤の形態から得られた基準などを利用することにより仮想排列がほぼ可能となった。前方面観については、顎堤ならびに仮想咬合平面の高さを基準として仮想排列を行うようプログラムを作製した。側方面観ならびに対合歯との咬合接触関係を表示するプログラムについては,現在,引き続き検討中である。
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