研究課題/領域番号 |
08672278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福島 和昭 北海道大学, 歯学部・附属病院, 教授 (00002361)
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研究分担者 |
亀倉 更人 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80214550)
藤沢 俊明 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (30190028)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高齢者 / 静脈内鎮静法 / 平衡機能 / 呼吸機能 / 回復 / 歯科小手術 / ミダゾラム / 精神鎮静法 / プロポフォール / 神経鎮静法 |
研究概要 |
<ミダゾラム単回投与による静脈内鎮静法併用下に歯科治療を行った高齢者および青壮年、各15名を対象に、同じ程度の鎮静レベルからの回復過程に差があるかどうか、また、帰宅可能時間に差があるかどうか検討した。回復過程に関する測定項目は、SpO2、握力、スパイログラム、加算テスト、重心動揺度とし、各群、ミダゾラム投与終了時より計測した各時点での測定値を術前対照値と比較し、また、その変化量を両群間で比較した。なお、ミダゾラムの投与方法は、至適鎮静度に至るまで少量ずつ分割投与した。 高齢者群のミダゾラム必要量は青壮年群の6割であり、肺活量、開眼重心動揺度以外の全ての測定項目にて、術前対照値に有意な差があった。さらに、高齢者では、SpO2、握力、肺活量、feedback重心動揺度(自分の重心の軌跡をモニター下に微調整できる条件下)において、回復度の遅延が認められた。一秒量、加算テスト、開眼および閉眼重心動揺度では両群間で回復度に差を認めなかった。 高齢者では、ミダゾラムによる鎮静法施行に際し、呼吸筋を含め筋力の低下に注意すべきと思われた。また、高齢者では、重心の微調整を試みるとかえって動揺する症例が多く、姿勢変化に対して安定をはかる姿勢調節能力がより低下することが示唆された。一方、高齢者でも、投与量に注意すれば、青壮年同様、投与後2時間で帰宅可能であると思われた。 また、近年、静脈内鎮静法への応用が試みられ始めた静脈麻酔薬であるプロポフォールを高齢者の静脈内鎮静法に用い、その有用性、回復過程についても検討した。その結果、慎重な管理のもとに行えば、安定した鎮静度を保つことができ、薬液投与中止後の鎮静からの回復も早く、特に、ベンゾジアゼピン系鎮静薬に対して長期連用による耐性を有する患者においては、十分適応となる有用な方法と思われた。
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