研究課題/領域番号 |
08672326
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 忠昭 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40225876)
|
研究分担者 |
今井 裕 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80114239)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 口腔癌 / 多段階発癌 / 癌関連遺伝子異常 / 癌抑制遺伝子 / PCR-SSCP法 / 直接塩基配列法 / P53癌抑制遺伝子 / point mutation |
研究概要 |
対象は、Spraque-Dawley系雌雄ラット、5週齢70匹を用いた。発癌剤は、0.001%濃度の4NQOを用い、飲料水として自由に飲水させた。4NQO投与群のラットは経時的に、舌に白斑を示し、その後軽度に肥厚し、その中に舌背を中心に、白斑性病変、乳頭状増殖、および漬瘍性病変が出現した。これらの病態を示すラットを屠殺後、凍結させ、各病変部のDNAの抽出を行い、P53、Ha-ras、Ki-ras遺伝子の異常について、PCR-SSCP法により解析した。その結果、正常ラットではP53、Ha-ras、Ki-rasとも遺伝子異常を示さなかった。これに対して、白斑病変や紅班病変ではP53、Ki-rasには異常が認められなかったものの、Ha-rasに異常を認めた。一方、扁平上皮癌ではKi-rasに遺伝子異常は認められなかったのに対し、P53、Hi-rasの2つに変異を認めた。これら変異を認めた症例において、腫瘍の大きさ、ならびに組織学的悪性度(1987年Anneroth)との関連について検討を加えたところ、腫瘍径との間には相関は認められなかった。核異型度の程度ならびに浸潤様式とは関連がみられ、程度が進むにつれてP53の変異頻度が増加する結果となった。本実験系の発癌過程における以上の結果より、正常組織が癌に至る悪性化の過程で、P53、Ha-ras遺伝子の変異が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
|