研究概要 |
平成9年度における研究成果として、つぎの5項目が挙げられる。 1.酵素的手法による7員環を母核とする新規不斉源の構築に成功すると共に、抗高脂血症薬プラバスタチン関連化合物の活性発現部位である6員環ラクトン部の効率的不斉合成法開発に成功した。本研究はさらに標的化合物の全合成研究へ向けてさらに展開中である。Tetrahedron:Asymmetry 8,195-201(1997). 2.酵素的手法による5員環を母核とする新規不斉源の構築に成功すると共に、新規天然物(-)-curcumanolide Aの効率的不斉合成法を確立した。J.Org.Chem.62,3824-3830(1997). 3.特異なラクタラン骨格構造を持つ天然物furoscrobiculin Bの新規合成法を独自の方法論により確立した。本研究は今後の不斉合成研究の成功を期待させるものである。J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1997,1707-1714. 4.C-ヌクレオシド不斉合成研究のための基礎的研究として、新たに酵素的手法による方法論を確立した。Tetrahedron:Asymmetry 8,3089-3094(1997). 5.酵素的手法による8員環を母核とする新規不斉源の構築に成功すると共に、トランスアニュラー反応による光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン骨格の構築法を確立した。さらに、本方法論を適用し、(+)-iridomyrmecinのの不斉合成を達成した。Chem.Pharm.Bull.,46,17-21(1998)
|