研究課題/領域番号 |
08672471
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学部, 助教授 (20155237)
|
研究分担者 |
崔 吉道 金沢大学, 薬学部, 助手 (40262589)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 薬物動態 / トランスポーター / 担体輸送 / ドラッグデリバリー / モノクルボン酸 / 消化管吸収 / 血液脳関門 |
研究概要 |
薬物の生体各臓器細胞膜透過性は、投与部位からの吸収、各臓器への分布、最終的な体外への排泄を含め薬物動態に大きな影響を及ぼす因子である。そのため、各薬物の細胞膜透過過程の機構論的解析は薬物動態の合理的な制御方法を開発する上で極めて重要である。本研究においては、モノカルボン酸系化合物に対して働くと考えられる細胞膜輸送担体として我々がクローニングしたMCT1を中心に、その他のトランスポーターを含めその機能・臓器分布解析を行い、薬物動態におけるトランスポーターの役割を明らかにするとともに、動態制御法への応用性について考察した。モノカルボン酸トランスポーターMCT1は、消化管のみならず血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞においても発現していることが、RT-PCR法および我々が作製した抗MCT1抗血清を用いた手法により明らかになった。さらに、ラットおよびウシ脳毛細血管内皮細胞の初代培細胞を用いた結果、機能的にもMCT1が両動物の血液脳関門において、脳内への取り込みおよび脳から血液中への排出の両方向に機能していることが明かとなった。また、種々臓器から得られた遺伝子解析の結果、MCT1は心臓にかなり多く、またその他の組織にも普遍的に分布していることも示された。即ち多くのモノカルボン酸系化合物が本トランスポーターを介することにより種々臓器へ分布あるいは排出されていることが示唆される。その他にもアミノ酸やペプチドおよびその類似化合物が特異的トランスポーターを介して吸収あるいは臓器移行していることが明かとなった。今後、さらに各トランスポーターの基質認識特性を含めた機能解析をさらに深めることが必要であるが、本研究成果は薬物動態制御因子の解明に大きく貢献するのみならず、今後の薬物動態最適化を目指した薬物構造デザインの戦略に有用な知見をもたらすものである。
|