研究課題/領域番号 |
08672477
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
|
研究分担者 |
永松 朝文 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40155966)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | イオン選択性電極 / ポテンシオメトリー / イオノフォア / 有機アンニモウム / リン酸エステル / 分子認識化学 / 血中薬物濃度測定 / 臨床化学分析 / 有機アンモニウム / リポソーム / 膜透過 / TDM / フローインジェクション分析 / 医療薬学 / 裁判化学 |
研究概要 |
本研究は電気化学センサーのなかでイオン電極に焦点をあて、その開発と応用を進めた。イオン電極の開発には新しい電極材料の開発が不可欠となるが、本研究ではリン酸エステル類が有機アンモニウムイオンのイオノフォアになることを初めて見いだした。周辺化合物の探索を含めた検討を今後の課題としている。一方、応用面としてはジソピラミド(抗不整脈薬)の血中濃度測定を代表例としてあげることができる。電極法の利点は、血清中に電極を浸すだけで遊離形の薬物濃度を定量できることである。一般に、薬物による治療効果は血液中で遊離形薬物濃度と強い相関性を示すと考えられているが、これまで開発されてきた方法では血液中のタンパクと結合した部分も含めた総薬物濃度で定量することが多い。遊離形薬物濃度だけを定量するためには、例えば、血清サンプルからタンパクに結合した部分を限外ロ過などにより分離する必要があり、測定に必要な血清量も多量になるうえ、分析に要する時間も必然的に長くなるという欠点があった。私たちは、ジソピラミドを含んだ血清中の遊離形薬物濃度を、(1)血清そのままで電極法を用いて定量する、(2)血清を限外ロ過し、遊離形のジソピラミド試料を調製後に、現在最もよく利用されている蛍光偏光免疫測定法により定量する。その結果、電極法と免疫測定法との相関関係(y=-0.123+0.991x、r=0.997)はよく、電極法が遊離形ジソピラミド濃度の新しい測定法になることがわかった。 その他、尿中フェニルピルビン酸定量への電極法の応用、麻薬コカイン検出用の簡易型電極の開発、あるいは小児難治性てんかん薬として用いられている臭化物薬剤の血中濃度測定に臭素イオン電極とフローインジェクション分析とを組み合わせた自動分析装置開発に成功した。
|