研究課題/領域番号 |
08672479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
葛谷 昌之 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10082984)
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研究分担者 |
近藤 伸一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90240944)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 低温プラズマ / 表面ラジカル / ESR / DDS / メカノケミカル反応 / テオフィリン / ラジカル再結合 / ポリエチレン |
研究概要 |
1.申請者らはかねてよりアルゴンプラズマ照射によって種々の合成高分子粉末試料に生成する表面ラジカルをそのESRスペクトル測定とシミュレーションによって明らかにしてきた。本研究においては、同様の方法によって未検討であった合成高分子や糖類(単糖類、多糖類)に種々の条件下でアルゴンプラズマ照射し、生成する表面ラジカル構造と生成特性を明らかにするとともに、それらの無酸素状態でのメカノケミカル再結合反応は、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレートなどの合成高分子のみならず、種々の糖類の固体表面ラジカルにおいても首尾よく進行することを明らかにした。さらに、これらの反応を精査するために、高分子粉砕時における種々の高分子のメカノラジカル生成も検討を加えた。その結果、ポリアクリルアミドやポリアクリル酸などの高分子間相互作用がとくに大きい高分子においては、メカノラジカル生成が顕著であること等を明らかにした。 2.固体表面ラジカルのメカノケミカル再結合反応を利用する医薬品工学への応用研究においては、先ず、種々のプラズマ照射高分子粉末にメカノケミカル重合可能なアクリルアミドモノマーの共存下手混合粉砕したところ、首尾よく、共重合反応が進行し、三次元網目構造の構築が出来ることが明らかになった。 3.その結果を踏まえて、プラズマ照射ポリエチレンをアクリルアミドとテオフィリン粉末とともに混合粉砕し、その粉末の直打錠剤からの薬物放出試験を実施したところ、混合比率、混合粉砕時間および打錠圧の調整によって、テオフィリンの放出が制御可能であることが示された。これは、共重合反応時に薬物が三次元網目構造に効果的にトラップされた結果と考えられる。したがって、種々のプラズマ照射条件やメカノケミカル反応条件の設定によって、種々の高分子と薬物の組み合わせにおいても、合目的の様々なモノリティック型DDS製造の可能性が強く示唆された。
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