研究課題/領域番号 |
08672519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 孝彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50082970)
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研究分担者 |
新川 美紀 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (80237643)
鬼頭 英明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90161512)
永瀬 久光 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (40141395)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 癌予防物質 / DNA損傷性阻害物質 / 抗変異原物質 / 8-ハイドロキシデオキシグアノシン / Glu-P-1 / IQ / キチンカルシウム / ピリドキシン / マンニトール / ジメチルスルホキシド / エタノール / 活性酸素消去剤 / TA98 |
研究概要 |
癌の増加に伴い、その化学的予防が注目されている。癌の生成には様々な原因があるが、その一つであるDNAでの8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8OHdG)生成は突然変異を誘発し、癌の生成の一因となっている。タンパク質、アミノ酸熱分解物であり、またタバコの煙に含まれるGlu-P-1及びIQの変異原性に8OHdG生成が関与している可能性が考えられる。そこで、この変異原による8OHdGの生成をin vitroおよびin vivoで測定した。さらに8OHdG生成抑制を指標としてDNA損傷抑制物質を検索したところ次の結果を得た。 1)in vitroではHO-NH-Glu-P-1及びHO-NH-IQについてAmes testを行ったところ、変異原性を認めた。また、同一培養条件下における菌体内での8OHdGの増加を認めた。 2)HO-NH-Glu-P-1またはHO-NH-IQを2'-デオキシグアノシン(dG)に加えたところ、8OHdGが有意に増加していることを認めた。これらの反応系に被験物質としてchitin calcium、pyridoxine、hinokitiolを加えた結果、HO-NH-Glu-P-1及びHO-NH-IQで8OHdG生成を抑制することを認めた。 3)in vivoではIQ投与48時間後、マウスの肝臓において8OHdGの有意な増加を認めた。 4)IQの8OHdG生成に対する被験物質の抑制効果について検討した結果、強い抑制効果が認められた50mg/kgの投与量において、chitin calciumでは、前投与、同時投与、後投与でそれぞれ86、100、70%、pyridoxineでは28、100、16%、hinokitiolでは19、24、27%、8OHdG生成を抑制した。 以上のように、chitin calciumではいずれの投与法においても顕著な8OHdG生成抑制が認められたので、今後癌の化学的予防への応用が期待される。
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