研究課題/領域番号 |
08672520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
原 明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00094334)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / 薬物ケトン還元酵素 / アルド-ケト還元酵素 / 構造・機能相関 / ジヒドロジオール脱水素酵素 / 高次構造 / 遺伝的多型性 / 肝機能診断薬 |
研究概要 |
本研究では、薬物ケトン還元酵素活性を示す3種のヒト肝3α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素アイソザイム(1型、2型、3型)について、従来構造が不明であった2型アイソザイムの一次構造を決定し、また、3種のアイソザイム間の相同性が高いにも拘わらず、基質特異性などの性状が異なる構造的要因を部特異的変異法や高次構造解析によって検討した。また、肝臓における各アイソザイム量の個体差と遺伝的多型性についても検討した。 1. 3型アイソザイムのリジン-270とアルギニン-276をメチオニンに置換した結果、NADPに対する親和性の著しい低下とスルホブロモフタレイン(肝臓能診断薬)による活性化の消失が認められ、両残基が補酵素とこの薬物の結合に重要な役割を果たすこと、ならびに活性化機構が明確になった。 2.部位特異的変異法により、各アイソザイムに保存されているチロシン-55が触媒残基であることが示された。また、1型と2型アイソザイムで異なる7アミノ酸残基を相互置換した結果、触媒残基の隣に位置する54番目の残基が両酵素の特性を決定することが示唆された。 3.コンピュータモデリングによる高次構造の解析からも、上記の残基の置換による構造変化を解析した。3型アイソザイムの結晶解析は現在進行中である。 4.高感度な酵素活性測定法を確立し、ヒト肝の各アイソザイム量に大きな個体差があることが示唆された。また、3型アイソザイムと2アミノ酸だけ異なるcDNAを単離し、日本人では20%頻度で出現する遺伝的変異体で、そのリコンビナント酵素は野性型より明らかな触媒効率の低下を示した。さらに、上記の3種のアイソザイムとは異なるcDNAの単離とそのリコンビナント酵素の性状解析から、新たなアイソザイムの存在が示唆された。
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