研究課題/領域番号 |
08672527
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
|
研究分担者 |
吉村 明子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
橘 美伊 東北薬科大学, 薬学部, 助手
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | アロマターゼ / 阻害剤 / 芳香核化反応 / 19位酸素化反応 / ガスクロストグラフィー / マススペクトロメトリー / キネティックス / 乳ガン化学療法剤 |
研究概要 |
本研究は、我々が開発した阻害剤である天然基質androstenedione(AD)の3-デオキシ体と6-アルキル体や5-en-7-oneステロイド等をプローブとして、アロマターゼ触媒機能の解析を目的とした。 まず、3-デオキシADと5-en-7-one体の19-水酸化体と19-オキソ体を、dehydroepiandrosteroneを出発原料として合成に成功した。次いで、これらの19-水酸化体を常法に従い、対応する脱メチル化体(△^<10(1)>体)へ誘導した。また、6-アルキルADと6-オキソADの2,2-ジメチル体の19位酸素化体を合成するには至らなかった。 これら合成された19-酸素化体と△^<10(1)>体のGC-MSを検討した結果、水酸基をTMS又はIPDMS等のシリルエーテルに、カルボニル基をメトキシムに誘導することにより、高感度に定量可能であった。 次に、ヒト胎盤ミクロゾームを酵素源として、NADPH存在下阻害剤をそれぞれインキュベートした。6-アルキルADについては、6-アルキルエストラジオールをbis-TMS誘導体として、また、他の基質では19-酸素化体や△^<10(1)>体の生成をそれぞれGC-MSにて分析した。その結果、6-アルキルADの芳香核化のK_m値と拮抗阻害剤としてのK_i値との間には有意な相関がないことや、6α-アルキル体が6β-異性体に比較し、より効率的に芳香核化されることなどが明らかとなった。他方、3-デオキシADは、ADに比べれば効率は低いものの、19位酸素化反応を受けるが、脱メチル化体の△^<10(1)>体へには変換しないことも判明した。しかし、本研究では、5-en-7-one体の19位酸素化反応を検出することができなかった。 以上、アロマターゼの触媒機能について新しい知見が得られるとともに、阻害剤としての特性と基質としての機能との関係を、本研究で初めて明らかにすることができた。
|