研究課題/領域番号 |
08672533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
今中 常雄 帝京大学, 薬学部, 講師 (50119559)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / ABCトランスポーター / 脂質輸送 / 脂肪酸β酸化 / アシル-CoA / ペルオキシリーム病 |
研究概要 |
ABC transporterに属するペルオキシソーム膜70kDaタンパク質(PMP70)の構造と機能を明らかにすることを目的として、(1)PMP70過剰発現CHO細胞を用いたPMP70の機能解析、(2)PMP70のペルオキシソーム膜上での存在状態の解析を行った。その結果、以下に示す新しい知見を得た。 PMP70はペルオキシソーム増殖時、脂肪酸β酸化系酵素とともに顕著に誘導される膜タンパク質である。そこでPMP70と脂肪酸β酸化の関連性をPMP70過剰発現CHO細胞(PMP70の発現量が約8倍増加)を用いて解析した。すると過剰発現細胞で、培地に添加したpalmitateのβ酸化が約3倍亢進していることが明らかになった。一方、lignocerateのβ酸化は約半分に低下した。すなわち、PMP70は長鎖acyl-CoAに特異性を示す輸送担体である可能性が高い。 2.単離ペルオキシソームを用い、acyl-CoAのペルオキシソーム内への輸送系を構築した。その結果、palmitoyl-CoAがATPに依存しペルオキシソームに取り込まれること、PMP70過剰発現ペルオキシソームでpalmitoyl-CoAの輸送が増加していることが明らかになった。 3.架橋及び免疫沈降実験により、PMP70はペルオキシソーム膜上でhomodimerもしくはhomotrimer構造をとる可能性が示された。よって部位特異的変異導入PMPcDNA発現により、dominant negativeな細胞を獲得し、ペルオキシソーム機能障害を解析することが可能となった。 今後、PMP70の基質特異性を含めた脂質輸送機構の詳細を明らかにするとともに、その異常によるペルオキシソーム病の解析を進めたい。
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