研究課題/領域番号 |
08672550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
櫨木 薫 理化学研究所, 宇井特別研究室, 研究員 (50146007)
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研究分担者 |
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 研究所6部, 室長
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | PI-3-キナーゼ / Fcγレセプター / GTP結合蛋白質 / チロシンキナーゼ / ワ-トマニン / O_2-産生 / 食細胞 |
研究概要 |
ホスファチジルイノシトール(PI)3キナーゼには種々の分子種が存在し、現在知られているものはリン酸化チロシンに結合することによって活性化される古典的なタイプとヘテロ3量体型GTP結合蛋白質(Gタンパク質)のβγサブユニットによって直接活性化されるタイプに分類される。両者は全く異なる受容体刺激と異なる細胞内シグナルによって制御されるが、その制御機構、下流で調節される機能タンパク質、導かれる応答等についてはほとんど解明されていない。我々はPI3キナーゼを機能の面から分類することを試みた。当該年度中に得た新たな知見は以下のとおり。1)食細胞を走化性因子(fMLP)で刺激するとGβγを介してPI3キナーゼが活性化され、この活性は活性酸素産生と相関した。2)一方、食細胞の抗体レセプター(FcγR)を架橋刺激するとチロシンキナーゼが活性化され、チロシンリン酸化タンパク質とPI3キナーゼが会合した。この経路で活性化されたPI3キナーゼは活性酸素産生を導かず、替わりに抗体依存性の貪食を調節していると考えられた。3)FcγR刺激において、チロシンキナーゼとPI3キナーゼを結びつけるチロシンリン酸化タンパク質は癌原遺伝子産物、Cblであった。4)CキナーゼはCblのSer残基をリン酸化し、リン酸化されたCblはPI3キナーゼとの結合能を消失した。5)CキナーゼはまたGβγに依存するPI3キナーゼ活性を抑制した。この時、Giの活性(GTP水解活性とGTP結合活性)には変化が見られなかった。従って、GβγとPI3キナーゼの会合が、Cキナーゼによって干渉される可能性がある。
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