研究課題/領域番号 |
08672606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00107103)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Na^+-Ca^<2+>交換系 / アンチポーター / 細胞死 / 再灌流障害 / アストロサイト / Ca^<2+>シグナル / カルシニューリン / FK506 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
グリア細胞Na^+-Ca^<2+>交換系(NCX)の病態生理学的意義をインビトロ、インビボの系で追究し、以下の成果を得た。1)受容体刺激による細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)変化に対するNCX活性変化の作用について検討し、([Ca^<2+>]_i)調節にNCX順モード(Ca^<2+>の汲み出し)が関与していることを明らかにした。2)アストロサイトを低Ca^<2+>溶液に曝露後Ca^<2+>含有溶液で再灌流すると遅発性の細胞死が見られた。3)本Ca^<2+>パラドックス障害の発現にNCX逆モード(Ca^<2+>の取り込み)がトリガーとなっていることを薬理学的、分子生物学的手法により明らかにした。4)本障害は、NCX活性を阻害する薬物、熱ショック蛋白、FK506やデルタメスリン等のカルシニューリン阻害薬によって保護された。5)熱ショック蛋白、カルシニューリン阻害薬は、再灌流後の[Ca^<2+>]_i変化に影響を与えず、その作用は[Ca^<2+>]_i増加以降の過程にあたることが示された。6)NCX阻害薬の開発に関しては、アストロサイトでのCa^<2+>取り込みに(NCX逆モード)よる活性測定で検討し、nMレベルで阻害活性を示す数個の化合物を見いだした。7)Ca^<2+>パラドックス障害発現に過酸化水素の関与が考えられた。8)ラット脳各部位NCXアイソフォーム(NCX1、NCX2、NCX33)mRNA量は、脳虚血再灌流後に大きな変化を示さなかった。9)競合的RT-PCR法により神経細胞とアストロサイトのNCXアイソフォームが異なる割合で存在していることを明らかにし、これらの細胞のNCX活性がNa^+感受性、膜興奮性の作用の点で異なっていることを示した。
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