研究課題/領域番号 |
08672611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
川さき 博己 岡山大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60125151)
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研究分担者 |
五味田 裕 岡山大学, 医学部・附属病院, 教授 (00088709)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ブラジキニン / アセチルコリン / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 血管拡張性神経 / 神経伝達機構 |
研究概要 |
内因性降圧物質(ブラジキニン、BK;アセチルコリン,ACh)のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)作動性血管拡張性神経(CGRP神経)伝達機構に及ぼす影響について、ラット腸管膜動脈血管床を用いて検討した。摘出腸管膜動脈灌流標本を作製し、Krebs液にて定流量で標本を灌流し、その灌流圧を圧トランスジューサ-(TP-400T)を用いて測定した。AChおよびBKは灌流液中に直接注入した。Guanehtidineで交感神経遮断した状態で、methoxamineにて血管収縮させて灌流圧を上昇させた標本において、AChの注入(1-1000nmol/0.1ml)は、急速な一過性の灌流圧減少(血管拡張反応)を生じた。高用量では、急速な減少後徐々に回復した。BK注入(1-1000pmol/0.1ml)後の灌流圧は、少量では、一過性の減少後持続の短い上昇(血管収縮反応)に転じ、その後再び持続性の減少を生じて投与前に復するという三相性のパターンを示した。高用量では収縮反応がより顕著となり、その後持続性の減少が見られた。血管内皮細胞を化学的に除去した標本において、AChによる初期の急速な血管弛緩反応は消失したが、高用量における持続的な弛緩反応は影響されなかった。一方、BKによる初期の一過性弛緩反応は、血管内皮細胞除去によって消失したが、収縮反応は増強され、持続性弛緩反応は影響されなかった。内皮細胞とCGRP神経を除去した標本では、AChの反応はすべて消失したが、BKでは一過性の収縮反応のみとなった。以上の結果、AChおよびBKの急速な一過性血管弛緩反応は内皮細胞依存性であるが、持続性の弛緩反応は、AChおよびBKがCGRP神経終末に作用してCGRPを遊離させた結果生じた間接的な反応である可能性が示唆された。また、BKの血管収縮反応はCGRP神経および内皮細胞非依存性であり、血管に対する直接作用、おそらくBK受容体を介した作用と考えられる。現在、BK反応における受容体の亜型の同定研究が進行中である。
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