研究課題/領域番号 |
08672623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
関根 孝司 杏林大学, 医学部, 助手 (50255402)
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研究分担者 |
細山田 真 杏林大学, 医学部, 助手 (00291659)
武田 理夫 杏林大学, 医学部, 講師 (40255401)
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
車 碩鎬 杏林大学, 医学部, 助手 (50276200)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | kidney / purinoceptor / intracellular calcium / nephron segment / ATP / proximal tubules / mesangial cell / purinoreceptor / organic anion transporter / protein kinase C / phosphorylation / nephron / calcium / P_<2Y> / P_<2U> / 尿細管 / 細胞内カルシウム / desensitization |
研究概要 |
平成8年度〜10年度の本研究によって、以下の結果を得た。 ATP受容体のネフロン内局在およびそのsubtypeを決定する目的で、単離ネフロン分節を用いた細胞内Ca濃度の解析をおこなった。その結果、ATPの添加により、糸状体、近位尿細管および集合尿細管において細胞内Ca濃度の上昇が観察され、さらにATPanalogを用いた検討から、これらのATP受容体がP2Y1およびP2Y2であることを明らかにした。また、ATPの添加によってATP受容体の刺激をおこなった後には、AVPやANGIIによる細胞内Ca濃度の上昇が観察されず、ATP受容体がこうしたペプチドホルモンの腎への作用を調節している可能性が示唆された。 また、我々がすでに株化することに成功していたSV40T antigen transgenic mouse由来近位尿細管S1細胞およびOMCT細胞がP2XおよびP2Y受容体mRNAを発現していることを示し、ATPおよびanalog添加による細胞内Ca濃度の上昇も観察した。この結果は我々の樹立したS1およびOMCT細胞がATP受容体研究の良いツールとなることを示す。 さらに、ラット培養メサンジウム細胞を用いた解析により、P2YおよびP2X受容体のmRNAの発現およびagonist添加による細胞内Ca濃度の上昇も確認した。ATP受容体刺激によるミオシン軽鎖リン酸化は認められなかった。 現在、ATP受容体による生理機能のさらなる追及として、我々が単離した有機アニオントランスポーターOAT_s(organic anion transporters)の機能調節についての研究を計画している。以上、この3年間の追求により、ATP受容体の腎臓内分布および生理機能の一端を明らかにすることができた。本研究により未知の部分が多かった腎臓でのATP受容体研究に新たな局面が開かれたと考えている。
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