研究課題/領域番号 |
08672650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
五味 邦英 昭和大学, 医学部・臨床病理, 教授 (60053980)
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研究分担者 |
福地 邦彦 昭和大学, 医学部・臨床病理, 講師 (70181287)
高木 康 昭和大学, 医学部・臨床病理, 助教授 (30138490)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | DNA damage / 放射線 / p53 / p21 / ユビキチン / アポトーシス / 細胞増殖抑制 / デフェロキサミン / DNA傷害 / プロテアソーム / 転写後制御 / IRF-1 / γ線 |
研究概要 |
悪性腫瘍の治療には、放射線照射や化学療法剤によるDNA damageの誘導、代謝拮抗剤による悪性腫瘍細胞の増殖抑制、そして、宿主の免疫能の賦活化などが行われている。このなかで、DNA damageの誘導はapoptosis開始を目的としたものであるため、治療を受ける細胞の、増殖制御機構の状態により効果の程度が異なると考えられる。細胞増殖制御機構の詳細な解析から得られる情報は、悪性腫瘍細胞の各種治療法に対する効果の予測、そして予後の予測に利用される。今回、放射線に代表されるDNA傷害刺激に対する細胞増殖制御機構の応答のうち、p53-p21^<wafl>-CDK4-pRB経路の解析を、本経路が正常なML-1細胞を使用して行った。ML-1に15Gyのγ線照射をすると、p53が集積し、p21が誘導され、p53経路が作動し、細胞増殖抑制が起こり、また、一部の細胞にapoptosisが誘導された。一方、DNA非傷害性にp53発現が増加した場合には、p21mRNAは誘導されたが、p21蛋白はほとんど増加せず、経路の下流も作動しなかった。この現象から、p21には転写後の制御が起きていることが示唆された。そこで、転写後制御の主要な機構であるユビキチン-プロテアソームの関与の解析を行った。DNA非傷害性にp53を集積しp21mRNAを誘導した状態にプロテアソームインヒビターを加えると、p21蛋白が検出されるようになった。さらに、p21免疫沈降物の抗ユビキチン抗体によるウエスタンブロット解析により、p21にユビキチンが結合していることが判明し、そのユビキチン結合が、DNA傷害により制御されていることを示唆するデータを得た。以上の解析の結果、p21の効率的な発現にはDNA damageが必要であるとの結論を得た。
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