研究課題/領域番号 |
08672654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
畑中 道代 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50218484)
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研究分担者 |
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 6部, 部長
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | GPI-アンカー蛋白 / 補体制御因子 / CD59 / シグナル伝達 / dimer形成 / C9 / ペプチド / 細胞内Ca^<2+> / トランスジューサ-分子 / Caveolin / 細胞増殖 / 架橋試薬 |
研究概要 |
GPI-アンカー型蛋質はglycosyl phosphatidylinositolを介して細胞膜に結合したユニークな構造をもつ蛋白質群である。GPI-アンカー型蛋白質を抗体でクロスリンクすると、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇、細胞増殖が誘導されることから、これらの分子がシグナル伝達機能をもつと考えられている。しかしながら、細胞内ドメインを持たないこれらの分子が、細胞質側にどのようにシグナルを伝えるのかは不明である。本研究では,GPIアンカー型補体制御因子のCD59に焦点をあて、これをモデルとしてシグナル伝達機構を明らかにすることを目的とした。 平成8年度の研究で、CD59のシグナル伝達に関与する分子としてCD59とassociateしている蛋白質を同定した。この分子は2次元電気泳動、N末配列解析、アミノ酸組成の結果より、CD59分子であることが判明した。この結果はCD59が細胞膜上でdimer分子を形成し、このdimer形成がシグナル伝達に何らかの役割を持つ可能性を示唆する。 GPI-アンカー型蛋白質による細胞の活性化は、特異抗体を作用後、さらに2次抗体でクロスリンクするという方法が一般に用いられており、CD59の生理的なligandは不明である。CD59は、C9に結合し、C9分子の重合を阻害することにより補体系を抑制する。同様にC9分子が、CD59の細胞活性化の際のligandとなりうる可能性を考慮し、9年度は、種々のC9ペプチドを合成し、これらの効果を「細胞内Ca濃度の上昇」を指標として測定した。その結果、C9ペプチド2(407-436)が細胞内Ca^<2+>を特異的に上昇させることが明らかとなった。今後、チロシンキナーゼの活性化、細胞増殖などへの効果についても検討し、CD59のシグナル伝達が誘導される系を確立し、dimer形成との関係を明らかにしたいと考えている。
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