研究概要 |
体感音響システムによるリラクセーション効果を,末梢血流量,micruvibration,血中β-endorphinの測定により検討した。 1. 音楽聴取および体感音響システムによりリラックスできた被検者の抹消血流量は明らかに減少した。 2. 体感音響システムによるリラクセーションの有無は振動の強さに関連しており,最適振動に調節することにより血流量は減少し,同時にリラクセーション効果を高めた。 3. micruvibrationのα帯域出現率についてはリラクセーション法の種類、主観的リラックス効果の有無、振動の強さに対する評価の如何にかかわらず経時的に減少した。 4. 精神的負荷後にβ-endorphinが増加した対象のうち,安静臥床,音楽鑑賞,ボディソニックによりβ-endorphinが減少した人もいれば,不変,あるいは増加した人もいた。ストレス負荷により増加したβ-endorphinが,ボディソニック体験により減少した人は50%であった。 5. リラクセーション経過感覚時間は主観的指標となりうると思われ、振動を最適と感じた人ほど経過時間を短く感じ、時間を短く感じた人ほどβ-endorphin値の減少が多かった。 β-endorphinによりリラックス反応を評価することは現段階では単独指標としては充分ではないが,ストレス軽減,つまりリラックスの直接的な評価であるため,今後リラックスの指標として確立する意義は大きいと考える。
|