研究課題/領域番号 |
08672680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鈴木 正子 広島大学, 医学部, 教授 (10149180)
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研究分担者 |
川上 伊勢子 広島大学, 医学部, 助手 (70304417)
植田 喜久子 広島大学, 医学部, 講師 (40253067)
岩波 由美子 広島大学, 医学部, 助手 (30284178)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 緩和ケア / 喜び感 / 困難感 / 燃え尽き症候群 / 看護婦(士) / 医師 / スタッフケア / エンカウンター・グループ / セルフモニタリング / 協働 / 患者-看護婦(士)関係 / 自己学習 / 死の看取り / 喜び / セルフモニタリング尺度 / 燃えつき尺度 |
研究概要 |
平成9年に実施した全国25の、平成8年8月現在厚生省承認緩和ケア病棟の看護調査(平成9年緩和看護婦調査)の解析の結果以下の5点の成果を得た。 1. 自由記載回答分析から、緩和ケア病棟における看護婦の自己存在肯定感と役割行動肯定感に2分される喜び感、自己存在否定感と役割行動否定感に2分される困難感各6つの内容を抽出し、喜び感と困難感のパラレルな構造を明らかにした。さらに、そこから緩和ケア病棟の看護婦(士)考える緩和ケアのなすべき6つのケアを導き出した。それは、1)身体としての存在を支える 2)その人固有の生き方を支える 3)生きがいのある時間の実現 4)症状の緩和と安らかな死の実現 5)家族関係の調整と別れの仕事へ完成 6)緩和ケアの場としての役割機能である。 別れゆくことへのケアという点からも、特に意味をおくべきことを別に論じた。 2. 自己学習を中心としたまとめでは、緩和ケア病棟看護婦の多くは自己を高める自己学習、学会研究会活動に熱心である。社会や仲間との連帯感を感じそれに支えられていることが明らかになった。 3. 平成9年緩和看護婦(士)対象の希望者に対しスタッフケアとしてのエンカウンター・グループを実施し、好評を得た。スタッフケアとしての有効性を示唆した。 4. 病棟における看護婦の喜び感、困難感と燃え尽き症候群との関係を解析した。 1) 燃え尽き群の比率は全対象の11.4%であり、一般看護婦(士)に比し燃え尽き率は低い。燃え尽き群の特徴は、個人的達成感が低く、情緒的消耗監督点および脱人格化得点が高い。 2) 年齢が若く、経験年数が短く、精神的に支える上司がいないこと、そして勤務病棟の病床数が多い点と関連がある。 3) 燃え尽き群はセルフモニタリング得点が低く、対人関係調整能力と関連がある。 5. 緩和ケア病棟における看護婦(士)と医師との協動についてまとめた。 緩和ケア病棟の看護婦は、3つの姿勢で医師との協働を求めていた。 1) 患者に向かう協働性、2)協働する者同士の役割期待、3)患者、家族、医療者が創造的に機能する協働性、この3つはいづれも喜び感、困難感とパラレルな構造にあると思われた。
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