研究課題/領域番号 |
08672692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
井上 郁 高知女子大学, 看護学部, 教授 (60176419)
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研究分担者 |
宮上 多加子 高知女子大学, 社会福祉学部, 講師 (90259656)
時長 美希 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (00163965)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 高齢者看護 / 家族介護 / パーキンソン病 / 介護者役割 / 在宅ケア / 高齢者 |
研究概要 |
パーキンソン病を持つ高齢者と家族介護者を対象に調査を行った。被介護者の7割が男性で、平均年齢は68.6歳、診断を受けてから平均9.4年経過し、他の疾患を持つ者が約3分の2いた。ほとんどが日常生活に何らかの介助を要し、全てに介助を要する人も約14%いた。介護者の8割は女性で、全体の約64%が妻、18%が夫とその8割以上を配偶者が占めていた。 1年後の介護量の有意な増加、直接的な介護活動量と介護者役割加重の間の高い正の相関等の結果は、介護者の負担増加を示していた。資源不足による役割過重の増加は、介護量の増加に伴う利用資源とのアンバランスの発生や資源の少なさを、身内の人間関係による役割過重の減少と介護を通じて得られる他の人からの報酬の増加は、時と共に介護を含めた生活の安定と周囲の人々との人間関係や生活の再構築が行われていることを示すものと考えられた。また介護者と被介護者の関係性の良さや介護状況に対する予測性や準備性が介護者役割加重を軽減できることが示唆された。 被介護者に対する面接の結果、「介護を受けている自分自身に対する認識」として、[病気から起こる身体の状態][日常生活の中での困難][現在の生活][病気の受け止め方][病気とつきあう][意欲]が、「介護者に対する認識」として、[気づかい][感謝][関係性][肯定的評価]が、「受けている介護自体に対する認識」として、[身の回りの世話][情緒的サポート][介護の調整][被介護者にあった介護][被介護者を支える介護][病気への対処][介護に対する気持ち][介護状況の広がり]が抽出された。被介護者は、病気による困難な生活の中で介護が必要な自分を受け入れ、できるだけ自分で対処しようとしていた。介護者への思いやりや介護への肯定的評価と同時に、自分を相対的に低く置く関係がみられ、受けている介護は、自分を支える個別的なものと受け止め、介護状況の広がりの中で捉えていた。
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