研究課題/領域番号 |
08672695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森 秀子 北里大学, 看護学部, 教授 (30276167)
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研究分担者 |
高橋 泉 北里大学, 看護学部(当時), 講師(当時) (10206790)
本間 照子 北里大学, 看護学部(当時), 講師(当時) (80209337)
鳥居 央子 北里大学, 看護学部, 教授 (10227671)
平井 るり 北里大学, 看護学部(当時), 助手(当時) (70265726)
山崎 道子 北里大学, 看護学部(当時), 助手(当時) (80276170)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 重障児 / 長期入院 / 家族システム看護 / 在宅ケア / ケアシステムの構築 / 看護継続教育 / 家族の看護 / システム化 / 障害 |
研究概要 |
1.インタビューの結果、退院を阻んでいる最大の要因は「重障度」であった。特に「在宅での急変時の予期不安」が大きい。長期入院中に家族と医療者(特に看護師)とは信頼関係がしつかり築かれ、家族はケアの技術を習得済みであり、ともに将来の在宅を目標に「待ち」の状態で見解が一致していた。しかし、退院に向けての予測や意志決定、在宅ケアの具体的プランは無く、したがって、在宅でのケア力量を増強するための病院内外のシステムとの連携が不十分なことを家族も医療者も認識していた。また、家族、看護師、医師の内部の関係および相互の関係性からは退院に対するそれぞれの認識等に立場の相違による微妙な「ズレ」があった。入院の長期化による「病棟内での安寧感」が生じていると考えられた。病状の回復や発達を待ちながら、併行して病棟外のシステムとの積極的な連携協働が強化される必要が示唆された。 2.協力を得た家族は子育て期の、対象児にはきょうだいのいる核家族であった。事例検討の過程を通して、継続的に担当する看護師は重要な役割を果たしていた。加えて家族看護の専門的な知識・技術を実践的に活用すれば、より効果的な査定と介入の可能性が考えられた。重篤な障害のある子をもつ家族には家族システム看護のアプローチが効果的に資すると考えられた。 3.院内の「家族看護実践研究会」は10年度までに基礎が築かれ、参加者は院内外の実践研究者へと拡大した。この実践研究会は臨床経験を有した看護師のための上級コース(看護継続教育)の端緒となりうる。 4.個別に機能している既成のシステムを取り結ぶ実働チームを家族システム看護の視点をもった看護職により形成することが重障児・家族を支援するモデルシステムとして意義があると考える。 5.本研究の開始時には、重障児の在宅ケアには地域条件の不足が大きな課題であるとされていたが、ここ数年来、状況は変化して先進的な実践例を生み出している。現在はこれら点在する資源を連結し児と家族によりそい柔軟に機能する新しいシステムを創造する時期にある。
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