研究課題/領域番号 |
08672697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
高橋 真理 杏林大学, 保健学部, 助教授 (20216758)
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研究分担者 |
重光 貞彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20235526)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 妊婦 / 胎児 / 母子相互作用 / 心拍変動 / FFT法 / 胎児心拍 / ストレス / リラクセーション / 自律神経機能 / 自律訓練法 / イメージ誘導法 / 胎動 / カラーストループワードテスト |
研究概要 |
本研究の目的は、1,妊娠末期妊婦の情励変化と胎児の反応について、両者の自律神経系の関連、ならびに胎動(客観的な反応)との関連から明らかにする。2,妊娠期の発達段階にそった胎動に対する妊婦の応答性に関する構成要素を検討し、妊娠期の母子相互作用と、新生児期の母子相互作用との関連を検討することである。 1-(1)正常経過の妊娠末期妊婦49名を対象に、Color words stroop confllct test(CWT)による精神的ストレス時、ならびにイメージ誘導法によるリラクセーション技法時における自律神経機能の変化を検討した。その結果、FFT法(高速フーリエ変換法)による心拍変動の周波数解析において、CWT時は安静時より有意に交感神経活動は上昇、副交感神経活動は低下を示し、リラクセーション技法時はCWT時より有意に交感神経活動は低下し、副交感神経活動は上昇を示した。 1-(2)超音波ドップラー法の低周波領域分析による胎動の定量化を試みた妊娠32〜40週までの正常経過妊婦10名を対象に、Nijhuisらの胎児1心拍パターンによる胎児のSTATEがCWT時、リラクセーション技法時ともに同一である6事例を対象に、各々の状態3分間における総胎動数を比較した。その結果、6例中5例でCWT時よりリラクセーション技法時は胎動数の低下が認められた。また、安静時も含め3状態とも胎児心拍泊図のパターンが〈FHRP D〉であった1事例では、安静時3分間の総胎動数が9回(胎動の長さの合計が25.23)であるのに対し、CWT時は17回(29.35)、リラクセーション技法時は3回(5.13)であった。 1-(3)(2)と同様胎児のSTATEがCWT時、リラクセーション技法時ともに同一STATEであり、なお胎児心拍のデジタル化によるコンピュータ入力が可能であった3事例を対象に、accelerationを除いた各2分間における胎児心拍数の平均を比較した。その結果、3事例ともにリラクセーション技法時はCWT時より平均心拍数は低下を示した。 2-(1)初経妊婦から収集した自由記載192の胎動イメージとRayburnによる胎動自覚の分類を参考に、9項目の胎動自覚分類を作成し、妊娠12〜41週までの初経妊婦111名を対象に、妊娠経過に伴う自覚的な胎動感の変化を横断的に検討した。その結果、妊娠末期は中期より自覚胎動数は有意に増加を示し、また胎動自覚の分類においても特徴的な変化が示された。 2-(2)新生児の母子相互作用診断のため、産褥早期母子の授乳時場面をVTRに撮影し、GailのAMIS(Assessment of Mother-Infant Sensitivity)によって母親行動15項目、新生児行動7項目、母児関係行動3項目について分析した。さらに、妊娠末期の胎動に対する応答性(1)との関連を、事例から縦断的に検討した結果、両者は関連ある可能性も推測された。 以上本研究はPrellminary Studyであるが、妊娠末期妊婦の情動の変化が胎児に及ぼす影響は否定できないと推測された。今後は、胎動定量化の測定法ならびに胎児心拍の分析方法に改良を加え、例数を重ね、実証的に検討を進める予定である。
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