研究課題/領域番号 |
08680039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 和人 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (40187175)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 栄養 / 免疫 / 腸管免疫系 / 樹状細胞 / サイトカイン |
研究概要 |
A。慢性関節リウマチ患者における摂取栄養素と病態の解析 平成8年度の慢性関節リウマチ患者の食事調査による摂取栄養素解析の結果、動物性脂質比上昇、食物線維不足、多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比率低下の傾向があきらかとなり、栄養素の偏りと疾患活動性、患者疲労度指数との関連を認めた。さらに患者血清中のインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン10(IL-10)、インターフェロンγ(IFN-γ)腫瘍壊死因子(TNF-α)の各サイトカイン濃度と疾患活動性・栄養素摂取状況との相関について解析した。その結果、患者疲労度とIL-8、日常活動指数とIL-8、INF-γ、TNF-αとの間に有意の相関がみられた。さらに、蛋白質摂取量とIL-1、脂質エネルギー比率とIL-8、多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比率とTNF-との間にも有意の相関を認めた。この事は栄養と慢性関節リウマチ患者病態や免疫能が実際に強く関連する事を示唆する。 B。関節炎モデルマウスにおける腸管免疫系の解析 慢性関節リウマチの動物モデルとしてタイプIIコラーゲンで誘発されるマウス関節炎を用い、食事・栄養の腸管免疫系に与える影響とそのメカニズムを検討した。平成7、8年度の研究により総カロリー制限および自己抗原(タイプIIコラーゲン)持続経口投与の併用により関節炎が抑制されることを見いだした。平成9年度は経口免疫による関節炎抑制のメカニズムを解析した。腸管免疫系を含む腸内環境の変化が関節炎の調節につながるという仮説のもとに、抗原提示細胞として最も重要な樹状細胞に注目した。樹状細胞を腸管より分離しその機能を解析した結果、経口免疫をおこなうことにより抗原刺激された腸管樹状細胞が自己免疫反応抑制的に作用するTh2タイプヘルパーT細胞の優先的な誘導をおこなうことが明かとなった。慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患に対する免疫栄養療法の開発へ向け研究を進めたい。
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