研究課題/領域番号 |
08680045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
池田 小夜子 神戸学院大学, 栄養学部, 助教授 (40098489)
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研究分担者 |
山下 佳子 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (50258117)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 米の亜鉛 / ミネラル / 微量元素 |
研究概要 |
本研究では、市販の粳米42種類を実験材料として、亜鉛、およびその他のミネラル(銅、マンガン、カルシウム、マグネシウム、リン)、たん白質について、それらの含量及び水可溶性成分について研究を行った。 分析に供した米の亜鉛含量は、乾燥重量100g当たり1.96±0.20mg(平均値±標準偏差)であり、またその変動係数は10.2%であった。この亜鉛の量は、筆者がすでに報告した他の食品に比べて比較的多いものであり、日常の摂取量から考えて、米は亜鉛の重要な供給源であると考えられた。また、その他のミネラルおよびたん白質含量の平均値は、銅0.50mg、マンガン1.16mg、カルシウム2.29mg、マグネシウム43.8mg、リン110mg、およびたん白質4.91mgであった。米の亜鉛含量の変動係数は他のミネラルの含量やたん白質の含量に比べて低く、得られた成果から種々解析した結果、米の亜鉛含量は、品種や土壌などの遺伝的因子、環境的因子等によってその含量に影響を受けにくいと推論できた。水可溶性成分について検討したところ、水で可溶化する亜鉛は、米に含まれる亜鉛の約20%であった。また、米の品種間における水溶性亜鉛の大きな差は認められなかった。 米に含まれる亜鉛と、その他の元素及びたん白質について、それぞれの含量間の関係、及び亜鉛が水に可溶化する際の影響について解析した。その結果、米の亜鉛含量と銅含量との間に正の相関関係(p<0.05)が認められた。亜鉛以外では、たん白質含量とリン含量(p<0.001)、たん白質含量とのマグネシウム含量(p<0.05)、リン含量とマグネシウム含量(p<0.001)との間に有意な正の相関が認められた。また、水可溶性亜鉛の割合と、銅含量(p<0.05)およびリン含量(p<0.05)との間にそれぞれ負の相関が認められ、銅およびリンが亜鉛の可溶化に関係する重要な因子であると推論された。以上の通り、従来不明な点の多かった米の亜鉛の食品学的特徴について明らかにすることができた。
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