研究課題/領域番号 |
08680055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 大妻女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
岡田 安代 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (90118729)
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研究分担者 |
森田 全三 東京農工大学, 工学部, 教授 (50016408)
渡辺 亜紀 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助手
福岡 史子 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 反応染料 / セルロース / 吸着 / 拡散 / 退色 / 濃度効果 / 集合 / フィルター効果 / 耐光性 / セルロースフィルム / 綿布 / 集合説 / 環境条件 / 退色挙動 / 初期退色 |
研究概要 |
セルロース上への反応染料の吸着及び吸着/拡散挙動、染料の本質的な性質と耐光性の関係及び環境条件と退色挙動との関係について検討し、次のような結果を得た。 反応染料の中では高親和性に属する二つのモノクロロトリアジン(MCT)基を持つC.I.Reactive Red 120、MCT基一つの典型的なMCT系染料及び比較のために典型的な直接染料のセルロースへの吸着を広い塩及び染料濃度範囲で80℃で調べた。スルホン酸基数、標準親和力の値(-Δμ°)、吸着の飽和値は異なるが、本質的には同じ吸着挙動を示し、飽和吸着現象が関係しない染料濃度の範囲内で、イオン強度が0.1以上では-Δμ°値は塩及び染料濃度に依存しない一定値を示し、Donnan吸着モデルでほぼ完全に記述できることが分かった。 次に、フィルム巻層法によって、セルロース内におけるこれらの反応染料の拡散濃度分布を求め、上で求めた吸着挙動に基づいて吸着/拡散挙動を詳細に検討した。その結果、反応染料のセルロース中の拡散には、直接染料と全く同様に吸着/拡散モデルが成り立つことが分かった。また、飽和吸着の関与する濃度範囲では、拡散係数が濃度と共に著しく増加することも、このモデルで説明できることを示した。 次に、10種のMCT系染料で染色した綿布を乾燥時に露光すると、かなりの初期退色とそれに続くゆっくりしたその後の退色という二段階の退色過程が見出される。また、染色セロハンを乾燥時に露光すると、織物でみられた初期退色は消える。環境条件を変えると、その酸化または還元退色挙動は変化を受けるが、両者が拮抗して見かけ上退色が進行しないこともある。染色フィルムの退色挙動にみられる濃度依存性は、殆どがフィルター効果によって説明できる。このように反応染料の吸着及び吸着/拡散過程と染色物の露光による退色挙動には、集合が関与するような現象は全く存在しない。
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