本研究では、共生時代の農村女性の役割や参加の実態と今後のあり方を明らかにする目的として、1996年及び1997年にアンケート調査を行った。調査結果は、調査対象地域で報告会を行い併せて活動実態の視察を行い、対象者についても結果を報告書して送付した。 2回の調査結果から、女性たちの共生意識は高く、値域環境整備をはじめとするさまざまな地域活動や社会的活動への参加意識も高い。「共生」の視点から地域づくりを行っていく上では、人間と自然との共生のみならず、男女が共にという今日的課題における共生も広く認識されていることから、女性が主体となって今後地域環境整備をすすめていくことは、有効であると考えられる。農村地域という地域の持つプラスとマイナスの両面が調査結果から明らかとなり、これらをしっかりと見捉えた上で、地域環境整備の方向を検討していくことが必要である。 主体的な地域への関わりを持つ、モデルとなるような女性は、60歳以上の人生経験の豊かな女性の中にみられた。今後、こうした女性たちの力をどのように活かし、地域の特色を活かした地域環境整備を展開していくか、具体的方法と方向を示すべく検討していくことが課題である。
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