研究課題/領域番号 |
08680072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
梅垣 敬三 国立健康・栄養研究所, 応用食品部, 室長 (60191920)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脂溶性環境化学物質 / クロロベンゼン / 脂肪細胞 / 脂肪分解 / 脂肪組織 / ラツト |
研究概要 |
本研究は、脂溶性環境化学物質の代謝・体外排泄に対する脂肪組織の役割を明確にする目的で、種々の脂溶性化学物質を脂肪組織量の異なる6週齢(6WK)ラットと20週齢(20WK)ラットに投与し、その代謝・体外排泄に対する脂肪組織量の影響を脂肪細胞のレベルにおいて検討した。脂溶性化学物質には4種類のクロロベンゼン(CL)類(トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン)をモデル化合物として用いた。20WKラットに比べて、6WKラットは副睾丸脂肪と腎周囲脂肪が少なかった。また、6WKラットでは脂肪細胞が小さく、細胞中トリグリセリド含量が有意に少なく、脂肪分解能が高かった。CL類投与後のその血液中ならびに組織内濃度の低下は、6WKラットにおいて著しく、その低下は特に代謝を受けやすいCL類で明確に観察できた。CL類投与直後における脂肪組織ならびに脂肪細胞中のCL類含量は、6WKラットで少なかった。これは、6WKラットの脂肪細胞中のトリグリセリド含量が少ないことに関連していた。一方、脂肪細胞からのCL類遊離をインビトロの実験において検討したところ、6WKラットではその遊離がいずれの化合物においても多かった。この結果は、6WKラットでは、CL類投与後の脂肪細胞への移行が起こり難く、脂肪細胞からの遊離が起こり易いことを示している。 以上の結果は、1)脂肪組織量の少ない状態において脂溶性化学物質の代謝・体外排泄が促進される機構に、脂肪細胞の特性(容積が小さい、トリグリセリド含量が少ない、脂肪分解能が高い)が関与すること、2)その影響は特に代謝されやすい脂溶性化学物質で明確に観察できることを示唆した。
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