研究課題/領域番号 |
08680080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 聖隷クリストファー看護大学 |
研究代表者 |
安孫子 誠也 聖隷クリストファー看護大学, 看護学科, 教授 (90202655)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 化学熱学的伝統 / 粒子力学的伝統 / アインシュタイン / 相対性理論 / ボーア / 原子構造論 / 量子力学 / アインシュタイン―ボーア論争 / 単独研究 / 組織的協同研究体制 / 巨大科学 / ボ-ア / アインシュタイン-ボ-ア論争 / R.クラウジウス / エントロピー概念 / J.J.トムソン / 電子の発見 / 電磁気学の理論変化 |
研究概要 |
この研究をつうじて以下の研究成果を得られた。 1.20世紀初頭のヨーロッパ物理学においては、「化学熱学的伝統」「粒子力学的伝統」という二つの研究伝統を見分けることができる。それぞれの主要な担い手は、ヘルムホルツ学派とキャヴェンディシュ学派である。 2.「化学熱学的伝統」の開始時期は、クラウジウスによって「エントロピー概念の導入」がなされた時とみなすことができる。それは、従来言われてきた1854年ではなく1865年である。ボルツマンによる「統計力学」の構築や、プランクによる「量子仮説」の導入は、この伝統の許でなされた。 3.「粒子力学的伝統」の開始時期は、後に「電子論」とよばれることになる理論がローレンツによって導入された1892年とみなすことができる。それは電磁気学の巨視的から微視的への理論変化をもたらし、ゼーマン、J.J.トムソン、あるいはローレンツ自身、による「電子の発見」を引き起こした。 4.「化学熱学的伝統」からの成果として、アインシュタインによる「特殊および一般相対性理論」、シュレーディンガーによる「波動力学」の構築があげられる。 5.「粒子力学的伝統」からの成果として、ラザフォードとボーアによる「原子構造論」、ハイゼンベルクによる「行列力学」の構築があげられる。 6.量子力学の解釈に関する「アインシュタイン―ボーア論争」を、アインシュタインの側に立って再構成してみると、彼は「量子力学の完全性批判」に成功していたとみなすことができる。アインシュタインによる「量子力学の統計的解釈」は、彼が「化学熱学伝統」に属していていたことからの一つの帰結である。
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