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高齢者の生きがいと「自然遊」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08680086
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 体育学
研究機関茨城大学

研究代表者

日下 裕弘  茨城大学, 教育学部, 教授 (80177980)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード高齢者 / 生きがい / 自然遊 / ハイキング・登山 / 温泉 / 市川,浩 / 湯浅,泰雄 / アイデンティティ / 市川浩 / 湯浅泰雄 / ライフコース・ライフヒストリー / 生活価値観・余暇観 / 健康 / 人間関係・ふれあい
研究概要

本研究は,高齢者の「生きがい」と「自然遊」(ハイキング・登山・温泉)の関係を,荘子の「逍遥遊」,エリクソンの「英知」,および,神谷の「生きがい」の概念,および,市川浩と湯浅泰雄の身体論の検討による分析枠組みから,質問紙,ディスカッション,参加観察,インタビュー,手記,感想文,ビデオ収録等の多様な方法を用いて考察した.その結果,次のような事がらが明らかになった.
1)ハイキング・登山の実践者は,一般の高齢者に比べて,積極的なライフスタイルと強い自然志向のレジャー・スタイルを持っている.
2)これらの高齢者の生きがいには,少なくても3つの重要な価値意識が存在している.すなわち,「生ける身体の拡張」による寿の保持増進,自然や仲間との「かかわりあい」による世界の拡大,そして,自然体感における感動を通じての自己の新しい課題(自分さがしへの旅)の発見である.
3)自然遊としての高齢者のハイキング・登山は,少なくともこれら3つの価値の追及の場を提供している点において,高齢者の生存充実感(生きがい)に深く結びつき得る大きな可能性を持っている.
4)高齢者にとって,老人福祉(健康温泉)センター,クアハウス,および,温泉観光旅行は,健康,仲間,楽しみの欲求を充足させる点で,その生きがいの重要な要素であるし,また,生きがいそのものでありうる.湯浅の身体論でいえば,これらの温泉における高齢者の身体は,主として,意識的な,第1の「外界感覚-運動回路」に関連している.
5)温泉場に住む高齢者の「湯浴みの習慣」は,意識下における身体の記憶として深く内面化されており,また,そこでの湯浴みは,生活の一部として,高齢者の「生」そのものの重要な部分を担っている.その身体は,主として,意識下の「体性内部感覚」(ソメステ-シス)や「全身内部感覚」(セネステ-シス)に関連している.
6)湯治における高齢者の湯や自然との感応は,主として,身体の最も深い「情動-本能回路」にまで関連するものであり,それを通じて自律神経系の機能を高め,その自然治癒力を再生している.
7)温泉をめぐるさまざまな自然体感は,高齢者の身体そのものに直結する個人的価値,すなわち,「生命」もしくは「寿」の価値を持つものであり,高齢者の生きがいにとって極めて重要な身体の基礎的要因であり,生きがい感の源泉である.

報告書

(3件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 日下 裕弘: "「自然遊」における身体:主として市川浩の身体論との関係から" 体育学研究. (未定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 日下 裕弘: "「湯治」の身体的意義" 人体科学. (未定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 日下 裕弘: "高齢者の生きがいと自然遊に関する研究:ハイキング・登山" スポーツ社会学研究. (未定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 日下 裕弘: "高齢者の生きがいと自然遊に関する研究:温泉" 体育学研究. (未定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yuko Kusaka: ""Japanese natural Play : Saint and Secular of HoT Water"" Kindai-bunngei-sha, Inc.202 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Simone de Beauvoir: ""La Viellesse"" Jinbun-shoin, Inc.704 (1972)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hiroshi Ichikawa: ""Body as Mind"" Koudann-Sha, Inc.338 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuo Yuasa: ""Qi, Cultuvation and Body"" Hirakawa-shuppannsha, Inc.347 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mieko Kamiya: ""La Raison de Vivre"" Misuzu-shobou, Inc.288 (1980)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Erik H.Erikson: ""psychological Issues : Identity and Life Cycle"" Seishin-shobou, Inc.294 (1973)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mihaly Csikszentmihalyi: ""Beyond Boredom and Anxiety"" Shisaku-sha, Inc.307 (1979)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 日下裕弘: "「自然遊」における身体:主として市川浩の身体論との関係から" 体育学研究. (未定).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 日下裕弘: "「湯治」の身体的意義" 人体科学会. (未定).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 日下裕弘: "高齢者の生きがいと自然遊に関する研究:ハイキング・登山" スポーツ社会学研究. (未定).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 日下裕弘: "高齢者の生きがいと自然遊に関する研究:温泉" 体育学研究. (未定).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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