研究課題/領域番号 |
08680166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
内田 和子 岡山大学, 文学部, 教授 (00223553)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ため池 / 地形・地質 / 老朽度 / 決壊 / 水害 / ため池整備事業 / 改廃状況 / 保全条例 / 防災 / ため池の改廃 / ため池保全条例 / 地形 / 地質 / 改修歴 / 谷池 |
研究概要 |
兵庫県南部地震による淡路島の主なため池について、地形、地質、池の構造、改修歴、老朽化について分析を行った結果、被災ため池の大部分が谷底平野に分布し、段丘上のものが少なく、地質では沖積層が少なく、大阪層群や花崗岩類が多いことが明らかになった。老朽度は築造から100年以上のため池が大部分を占め、築造もしくは最後の改修から30年未満のため池でも本土分より被災率が高いことがわかった。次に、ため池の決壊による水害の主な事例について資料や聞き取り調査から洪水状況を復元し、地形や地質、土地利用との関連を分析した。その結果、浸水や被害と地形との間には高い関連性が認められ、ため池の決壊による水害の対策の必要性を指摘した。また、兵庫県の1966〜68年のため池台帳と1996年のため池データベースを比較分析して、ため池の改廃状況を分析した。その結果、無届けで改廃されたり、改修されたため池が多く、それらは東播磨に多く分布して、池の規模では5ha以上のものが多い。最後に、国の補助金が得られるため池整備事業と法的規制について分析した。ため池の整備事業のうち、防災上重要と思われる防災ダム事業と老朽のため池事業については都道府県毎の事業の実施状況を明らかにした。国の補助金が得られる事業は採択条件が厳しく、改修すべきため池の一部にしか適用できないが、採択されれば防災上の効果が大きい。ため池の保全に関する県の条例は兵庫、奈良、香川の3県のみであるが、ため池の保全上大きな役割を果たしているといえる。さらに、今後ため池を地域の環境資源として整備する施策はより多くなり、重要度を増すと思われる。
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