研究課題/領域番号 |
08680188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
長友 恒人 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80031582)
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研究分担者 |
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
平賀 章三 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10031593)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 年代測定 / 光ルミネッセンス / 石英粗粒子 / 微粒子 / 遺跡 / 堆積物 / 赤外光 / 可視光 / ルミネッセンス / 石英粒子 / 長石粒子 |
研究概要 |
昨年度に決定した光ルミネッセンス(OSL)法の測定条件に従って、本年度は遺跡の堆積物試料、テフラ試料、および湖底堆積物の粗粒子と微粒子試料を用いてOSL年代測定を行い、問題点を検討した。 その結果、以下のことが明らかになった。 (1)50℃、24時間程度で減衰する不安定なOSL成分がある。これはTLの160℃付近の電子捕獲中心に関係している。 (2)石英のOSL線量依存性はTL線量依存性とは必ずしも一致しない。このことはOSLとTLの発光機構の違いによると考えられる。 (3)「OSLの生長曲線(線量依存性)は直線的であり、スプラリニアリティ補正は必要ない」とされているが、試料によっては低線量領域の直線性は保障されず、従って線量依存性のチェックは不可欠である。 (4)若い試料のOSL年代測定(微粒子試料)では励起波長によって線量依存性が異なる。その理由は不明であるが、年代値から判断すると赤外光による励起の方が妥当である。 以上の成果は山形県袖原遺跡・富山遺跡、福島県原セ笠張遺跡、兵庫県長瀬川添遺跡、ロシア・ウスチノフカ遺跡などで採取した試料の測定結果より得られた。このうち、ウスチノフカ遺跡試料について得られたOSL年代値は、III遺跡 3層 7300年、III遺跡 4層 10050年、VII遺跡第6トレンチ4層 18600年であった。また、小川原湖ボーリング試料の測定結果は0-5000年を示したが、この程度に若い試料については検討が必要である。 これらの研究により、OSL法は第四系堆積物の新しい年代測定法として実用の段階に入ったことが明らかになった。今後も、個々の試料についての線量依存性、波長特性などについての研究は引き続き必要である。
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