研究概要 |
本研究では,ヒトの内部空間の構成過程を調べることを目的とし,視聴覚刺激の時間をいろいろ変化させ,姿勢を変化させることにより時間的に内部空間がどのように構成されるかを調べた.これまで指示運動時の学習障害児の頭部および体幹の位置変化を計測してきたが,体動の指標としてさらに重心動揺計を用いて重心を計測した.これにより床近傍で磁気に乱れが生じるため計測できなかった下肢などの動きや全体的な体動を調べることができた.被験者として健常者および学習障害児を用い,得られたデータから内部空間の時間的形成過程,刺激の種類による差異および刺激ごとの内部空間の存在の有無を調べた. 平成8年度は本年度の設備備品費で重心動揺計を購入し,これまで計測してきた頭部,上肢および体幹部以外に重心や下肢などの動きの計測を行うことを中心に以下の手順で行った. 平成9年度には,学習障害児の計測を重点的に行い,健常者のデータと比較を行った.また,指示運動は3次元的に行われることから,その表示に適した高速処理ができるパーソナルコンピュータを購入し,データ処理を行った. 平成10年度は,内部空間の構造および形成過程について検討した.
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