研究概要 |
学校の授業で使うハイパーメディア教材のオーサリングについて,順序関係,意味関係,格関係に加えて,新たに連接関係による関係付けのためのリンク法を開発して,動的リンクによるオーサリング法の体系化を行った。これにより,情報収集,読みとり,関係付け,表現,他社とのコミュニケーションといった子どもが主体的に学習活動に参加できる参加型マルチメディア・ネットワーク学習環境の構築を可能にした。また,ハイパーメディア教材のオーサリング方法を具体例で示した。 さらに,この動的リンク機構をネットワーク対応にするために,インターネット上のハイパーメディア教材同士を動的にリンク付けするオーサリング方法についても検討し,CGIによる動的リンク処理機構を有するWWWサーバの構築法を提案した。 以上の成果に基づいて,小学校では2つの社会科のマルチメディア授業とインターネットを活用した遠隔学習の実践を,中学校では理科および英語のマルチメディア授業とネットワーク学習環境による数学の授業実践を,高等学校では理科のマルチメディア授業およびネットワーク学習環境支援による討論能力育成の実践を行った。 これらの実践事例に対して教育方法と認知科学の側面から考察を加え,子どもの学習を文化的実践,認知的実践,社会的実践,実存的実践の4つの実践とみなし,子どもの探究を中心とした参加型学習環境のあり方を明らかにし,その授業設計及び教材開発法についての具体的手順を示し,マルチメディア・ネットワーク授業の改善方法を示した。
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