研究課題/領域番号 |
08680252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
萬谷 隆一 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (20158546)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 英語教育 / 誤り訂正 / 誤り対処 / error correction / error treatment / 誤答分析 / フィードバック / 文法指導 / 外国語教育 / 授業分析 |
研究概要 |
コミュニケーションが重視される昨今の英語教育にあって、「誤り」への対処は授業において不必要であると考えることもできる。しかし学習者、特に成人の学習者は、教師からの否定的フィードバックから多くを学ぶことができる。学習者の中間言語に対して適切なフィードバックを与えることは、言語教師の責務であると言える。 誤り対処研究の究極的な目標は、さまざまな誤り対処方法が、言語習得に対してどのような認知的・情緒的な効果を有しているかを検証することである。しかしそうした検証に至るにはなお道は遠く、まず前提として教師が使う誤り対処の類型と頻度、それらを左右する要因について研究をする必要がある。そのような記述的研究によって、誤り対処の研究における課題を明らかにし、合理的かつ実践的な研究を進めるための指針が得られる。 このような考えにたって、本研究は英語教師、特に教育実習生の誤り対処についての記述的なデータを提供するするために、41の中学校英語科授業のプロトコルデータを分析し、そこに観察された誤りの対処を分析した。その結果、以下の点が明らかになった。(1)誤りの発生率がきわめて低く、その原因は文法説明と機械的な練習の多さであった。(2)文法の誤りが最も多く、語彙、発音の誤りがそれに続いて多い。(3)無視される誤りは多くなかった。(4)機械的練習においては、直接的に訂正するタイプの対処が自己訂正を促す訂正よりも多かった。(5)コミュニケーション活動においては、コミュニケーションの流れを阻害しないタイプの訂正方法が、阻害するタイプのものよりも多く使われた。しかし、そうしたコミュニケーションの流れを阻害しないタイプの訂正方法を駆使できるのは、主に英語力の高い教師であることが分かった。(6)正答を提示する方法および自己訂正する方法のうち、短期的な訂正効果が高いものがあることが明らかになった。
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