研究概要 |
平成8年度にコミュニケーション能力、及びコミュニケーション能力を測定するテスト[CTと略]について、理論的研究を行った。平成9年度に、Weirの3部構成枠組に基づくCT[CTはスピーキング(Sと略)、ライティング(Wと略)、リーディング(Rと略)、リスニング(Lと略)の4種類]、個別項目テスト[基準参照テスト(CRTと略)]、総合テスト[書取(DICTと略)、クローズ(CLZと略)の2種類]の計7種類のテストを、3つの国立・公立中学校3年生計461名、及び5校の県立高校2年生274名に実施した。平成10年度に中学3年生について、369名のデータ(Sは106名)、高校2年生については、238名のデータ(Sは90名)を分析した。中学校3年生の分析結果の主なものは、次の通りである。 (1)CTの妥当性(内容妥当性、構成概念妥当性、併存的妥当性)について、S,W,R,Lの内容妥当性、構成概念妥当性は高い。併存的妥当性については、CRTとS,Wとの相関はかなりあり、R,Lとの相関は、高い。(2)評定者内信頼性について、Sの総合的評価は高く、Wはかなりあり、R、Lも高い。評定者間信頼性について、S、Wともに、総合的評価、分析的評価、伝統的評価いずれも低く、R,Lは、かなりある。(3)CLZとの相関について、SとCLZの相関は低く、W、R、Lとの相関は高い。DICTとの相関について、Sとは相関が低く、Wとはかなりあること、R,Lとは相関が高い。(4)分析的・総合的評価の相関について、S,Wともに相関が高く、T検定の結果、S,Wともに差がない。(5)学力上位群,学力中位群、学力下位群について、顕著に特徴が出たのは、下位群、次に上位群である。(5)伝統的評価と分析的評価の相関について、S,Wともに非常に高い。(7)CRT、DICT、CLZ、それぞれのテストの信頼性は、非常に高い。高校2年生についてもほぼ同様な傾向が出た。
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