研究概要 |
本研究の目的は、授業支援システムにおける以下の技術的問題の解決方法を明らかにし、これらの問題を解決した授業支援システムを開発し、さらにその有効性を評価することにあった: (1)グループ保護機構の拡張、(2)セキュリティを考慮したセンター外からの利用、(3) WWWにおけるネットワーク利用帯域の制御。 (1)については、グループ定義ファイルを設け、その中で、授業毎に、教官、教官_<+TA>、教官_<+TA+>受講生などのグループを定義し、授業関連データベースの項目毎に、このファイルで定義したグループに対してアクセス権を設定できるような方法を実現した。(齊藤他:"授業支援システムOceanの機能と実現法",情処研資DSM, Vol.96, No.111, pp.43-48 (1996-11).) (2)については、異組織間でのファイルを共有を、NFSを拡張して、サーバ側のディレクトリ毎に、登録された利用者単位でアクセス制御できるしくみを実現した。同時に、NFS本来のセキュリティの甘さを解消し、マウント時における情報交換の暗号化等を行った。(中吉他:"Proxyを用いた広域利用可能なNFS", 1997年信学会総大(1997-03)(発表予定).) (3)については、WWWのproxyを通してWebにアクセスするようにして、Proxyとの間のデータ授受をチケットによる制御を導入することで解決した。すなわち、データ授受を行うには、チケットを必要とし、そのチケットの発行を制御することで、データの流量を制御する仕組みを実現した。 以上のように、各問題の解決法を明らかにし、授業支援システムの実装もほぼ完了した。しかしながら、その有効性の評価は今後の課題として残った。
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