研究課題/領域番号 |
08680379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
天野 英晴 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60175932)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 並列計算機 / 相互結合網 / キャッシュ / 多段接続網 / 多段結合網 |
研究概要 |
多段接続網(Multistage Interconnection Network:MIN)をプロセッサーメモリ間接続に用いたマルチプロセッサは、複数のメモリモジュールを同時にアクセスすることができることから、特に科学技術用の中規模(数十〜数百プロセッサ)システムとして有利な点を多く持つ。しかし、一貫性を保持したキャッシュを装備することが困難である問題点があり、実用化が遅れている。 本研究では、縮約したディレクトリ制御方式を用いた一貫性制御機構を持つMINであるMINCを提案して評価を行った。評価に基づき設計を行い、Chip Express社のLPGA(Laser Programmable Gate Array)を用いてMINCチップを実装した。このチップは、キャッシュの一貫性を維持するためのメッセージを効率良くマルチキャストする能力を持ち、他の任意のスイッチと組み合わせることにより、キャッシュを持ったスイッチ結合型マルチプロセッサを容易に構築することができる。16入出力を制御可能なチップが、26477ゲートで実装され、50MHzでの動作を確認した。このチップはプロセッサ側のスイッチングエレメントにPrunning Cacheを装備しており、無駄なメッセージを止めてしまう機能を持つ。 また、このチップと以前開発した高速スイッチであるPBSF(Piled Banyan Switching Fabrics)を用いてマルチプロセッサプロトタイプSNAIL-2を構築した。SNAIL-2は、2種類の基板で構成され、プロセッサモジュール16、メモリモジュール16を持つ。プロセッサには簡単で高速なRISCプロセッサR3000を利用し、ネットワーク負荷の高い状態でのPBSFの評価を可能とした。MINCによるキャッシュ制御機構を利用することで、共有メモリ読み込みのアクセス時間を従来の1/4以下とすることができ、幅広い条件でのキャッシュ評価環境を実現している。SNAIL-2は世界的にみてハードウェアによるキャッシュ制御機構を持つ初めてのマルチプロセッサである。
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