研究概要 |
本研究では2次元実数空間上に方向距離(A距離)の1例としてBlock Normによる距離を定義し、n人の意志決定者グループが共同利用する単一施設を配置する場合について検討した。各決定者i(i=1.2,・・・,n)は平面上の点y_iに位置しており、施設の位置xとの距離||x-y_i||を出来る限り最小としたい。我々は、この問題を(1)適切な施設配置候補点の集合の決定、(2)施設配置位置の決定の二段階に分けて扱うこととした。 (1)については、集合利得関数H(x)をH(x)=(||x-y_i||,・・・,||x-y_n||)とし、minH(x)XEIR^2なる多目的最適化問題の擬有効解(Quasi Efficient Solution),有効解,厳格な有効解(Strictly Efficient Solution),交代的有効解(Alternate Efficient Solution)等の集合を候補集合として定式化した。そして、多目的単一施設配置問題に対する上記の各解の求解アルゴリズムを作成した。このアルゴリズムは計算時間オーダーの意味で最速のアルゴリズムとなっている。 次に(2)では、候補集合から配置点を決定する必要があるが、この点については、現在の所、未着手である。
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