避難者を効率よく発見することは、人命救助に大いに役立つと思い研究を始めた。もちろん、避難者だけでなく、大規模なシステムの中のフォールトの発見に役立つはずで、この研究の貢献できる範囲はかなり広いものと思われる。今回の研究では、探索問題の中でも探索労力の配分について研究した。とくに、モデル化には注意を払った。そのため、いく人かの研究者の助言を仰いだ。本年度は、昨年度に行った2資源中心の配分モデルの研究から多資源の配分モデルの研究へと移行した。アルゴリズムの開発はまだ2資源が中心で、まだ、多資源の探索労力配分問題を解くアルゴリズムは開発できていない。ただ、理論の研究は進んでおり、効率的なアルゴリズムの開発も近いうちに実現可能と思っている。また、2資源の探索労力の最適配分問題の応用として、ソフトウェアの信頼性の研究も行った。これは、アメリカのアナハイムで開催された国際学会で口頭発表し、さらに、これをまとめ論文として国際ジャーナル誌(IJRQSE)に掲載可となった。また、昨年度に投稿していた論文が日本オペレーションズ・リサーチ学会誌に掲載された。 論文としての実績は資源の数が2つの場合に限定されているが、今後はより多くの資源の配分問題の研究を続け、本年度得られた成果を中心に論文誌等に成果を発表したいと思っている。
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