研究概要 |
斜張橋の架設精度管理問題は多目的最適化問題として定式化できるが,その目的関数の数は非常に大きくなり,効率的な手法の実現が望まれていた. このような多数の目的間のトレードオフを簡単にすばやく行うことができる手法として満足化トレードオフ方が本研究申請者によって提案されており,本研究ではこの手法を斜張橋架設精度管理システムに組み込み,さらにそのヒューマンインターフェイスを改善し,意思決定者の負担を軽くするのが目的である. 初年度はすでに作成していた満足化トレードオフ法のプログラムをもとに斜張橋架設精度管理システムを構築するとともに,トレードオフを容易にするための適正トレードオフ法のプログラムを完成させた. 次年度はこれまでに作成された満足化トレードオフ法による斜張橋架設精度管理システムに適正トレードオフ法を組み込み,さらにその入出力をグラフィク化し,現場での技術者が使いやすいようヒューマンインターフェイスに工夫をほどこした.いくつかの実際の橋のデータに対し本システムを適用し,実際の観点からの検討を加えた.これにより,実用度の高い斜張橋架設精度管理システムができたと考えられる.
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