研究課題/領域番号 |
08680506
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
多幾山 憲 広島大学, 工学部, 助教授 (40112180)
|
研究分担者 |
尾田 年充 広島大学, 工学部, 教授 (60034550)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | レーザー誘起蛍光 / 偏光 / プラズマ診断 / 電場分布 |
研究概要 |
パルスレーザーでヘリウムの準安定原子を禁制励起(シュタルクおよび電気四極子遷移の励起)して誘起される許容蛍光の偏光度から電場を求めることができる。この方法を高密度プラズマの境界に現れるシース等の電場分布計測へ適用するために、蛍光パルスの立上がり部の偏光度を精度良く測定することができる高速偏光同時計測システムを開発した。これは分光器を透過してきた蛍光パルスをグラントムソン偏光ビームスプリッターにてP偏光とS偏光成分に分離し、2本の時間応答の良い光電子増倍管(立ち上がり時間1ns以下)と2チャンネル高速デジタルストレージオシロスコープ(2.5GS/s)を用いて両成分の波形を同時記録するものである。本装置の性能はグロー放電ヘリウムプラズマからのレーザー誘起蛍光(LIF)を用いて評価した。2つのチャンネルに同時記録された無偏光LIFパルス波形は正確に一致した。これによりショット毎に偏光度を求めることが可能となり、測定精度と信頼性が向上した。また、得られた信号強度から、空間分解能は約0.1mmと見積もられた(但し、準安定原子密度が1×10^<10>cm^<-3>の時)。 この計測システムを用いて、ガス密度の高いグロー放電プラズマシースからのLIFの偏光成分を観測した。得られた蛍光の偏光度は、プラズマ中での励起原子と母ガス原子との頻繁な衝突により、非常に早い時刻より急速に減少している。このようなLIF波形でも衝突偏光消失過程を含むレート方程式モデル(本研究にて作成)を用いた解析によって正確に電場を決定できることを示し、この電場計測法が10^8s^<-1>程度の高速偏光消失過程が存在する電子密度やガス密度が高いプラズマにも充分適用できることを実証した。またこの方法は磁場が存在するプラズマにも適用できることも示した。
|