研究概要 |
1.非磁化プラズマ中の2つの大強度電磁波と相対論的電子ビームとの相互作用による非線形ランダウ減衰が電子ビームを効率よく加速する。周波数が電子プラズマ周波数だけ隔てている3つ以上の電磁波があるとカスケードプロセスが起こる。この機構が電子ビームを更に効率よく加速する事を数値解析より明らかにした。又、粒子シミュレーションにより電子ビーム補足の効果を調べた結果、2m_ec^2γ_p^2の最大エネルギーまで加速される事が分かり理論的予測と一致した(Phys.Plasma 3(1996)3524-2591;Proc.Int.Conf.on Plasma Phys.,Nagoya,Japan,1(1996)422-425,430-433)。 2.相対論的磁化プラズマ中の非線形波-波及び非線形波-粒子相互作用に対する相対論的輸送方程式と波動方程式を導出し、宇宙プラズマや実験室プラズマ中の高エネルギー加速の解明が可能となった。この理論に基づき低域混成波の非線形ランダウ減衰による相対論的電子ビーム加速の数値解析を行なった(J.Plasma Phys.56(1996)193-207)。 3.2つの異常波の非線形ランダウ減衰(コンプトン散乱)による相対論的電子ビーム加速について、輸送方程式と波動方程式の数値解析と粒子の運動方程式の解析を行なった。その結果波の周波数が右回り遮断周波数より大きい時及びビ-ト波の位相速度がビーム速度より大きい時に加速が起こる事が分かった(Proc.Int.Conf.on Plasma Phys.,Nagoya,Japan,1(1996)418-421)。 4.磁化プラズマ中の静電波の準線形効果と非線形ランダウ減衰に対する速度空間拡散方程式と異常輸送と空間電位形成を表わす輸送方程式が導出され、電子ビーム・プラズマ系での観測結果の説明が可能となった。トカマクプラズマや宇宙プラズマでの異常輸送と電場形成や磁場を横切る高エネルギーイオン加速の機構説明にも適用可能である(Proe.Int.Conf.on Plasma Phys.,Nagoya,Japan 1(1996)426-429,7th Europ.Fusion Theor.Conf.Julich,Germany(1997)P1-23)。
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