研究概要 |
次世代のサブミクロンプロセス用プラズマとして、筆者が先に極微量元素分析用に研究開発した、表面波モードのOkamoto cavity(USA patent:No.4933650,Ana1.Sci.,7(1991)283)を大型化して(H面を拡大;26.4cm,E面を縮小;0.8cm)、外部磁場を用いることなく、低圧(≧10^<-3>Torr)で、cut-off密度以上の高密度(≧10^<12>/cm^3)で低温(≦3eV)の大口径(20cm)の静かで安定したプラズマを生成することに成功した。 すなわち、プラズマはこのcavityにマイクロ波電力(2.54GHz,1kW)を供給して放電管(直径:16cm,石英)内に生成し、プロセスチャンバー(40x40x20cm^3,ステンレス)内に拡散させた。放電管はcavityの中央にE面方向から挿入するとともにチャンバーに接続し、こられの内部をターボ分子ポンプを用いて排気した(10^<-6>Torr)。 プラズマ(今回はアルゴン)の発光スペクトルと物理量(電子密度や温度など)の空間分布の測定には、分光器(200-900nm)とプローブを用いた。 プラズマは、3-100mTorrの範囲で安定に生成することができた(400-800watt)。プラズマ生成部から10cm下流の軸上で電子密度は3.5x10^<11>/cm^3,電子温度は3.2eV,イオン電流密度は21mA/cm^2,均一性は±5%で直径14cmが得られた(4mTorr,700wattのとき)。さらに下流で、より大口径(20cm以上)で均一なプラズマの得られる可能性があり、プロセス用プラズマとして有望であることが明らかになった。
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