研究課題/領域番号 |
08680519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
上迫 浩一 東京農工大学, 工学部, 助教授 (40092481)
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研究分担者 |
永吉 浩 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (80251586)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 水素ラジカル / 結晶シリコン太陽電池 / パッシベーション効果 / 表面再結合速度 |
研究概要 |
結晶系シリコン太陽電池のエネルギー変換効率を向上させるためのパッシベーションについて、その効果を高めるための方法として、水素ラジカルアニールを適用する方法を検討した結果、以下の知見が得られた。 1.SiO_2/Si構造に対する水素ラジカルアニール マイクロ波励起によって生成された高密度の水素ラジカルを用いて表面処理を行った結果、少数キャリアの実効ライフタイムが大きく増大し、表面再結合速度が低下することが確認された。200℃以上のアニール温度で効果が現われ、400℃で効果が最大となった。アニール効果は約30分で飽和する傾向がみられた。C-V特性から、界面状態密度を評価した結果、表面再結合速度と界面状態密度のアニール時間依存性が一致することが分かった。従って、水素ラジカルアニールの効果の要因は、界面状態密度の低減にあると言える。 2.SiN/SiO_2/Si構造に対する水素ラジカルアニール 更に、パッシベーション効果を高める方法を検討するため、SiN/SiO_2二層膜について、水素ラジカルアニール効果を調べた。その結果、SiN膜を形成しただけでも、少数キャリアの実効ライフタイムの向上が見られたが、これに水素ラジカルアニールを施すと、更に顕著な効果が現われた。この効果には、SiNの膜厚依存性がみられ、膜厚が厚くなる程効果が高まることが分かった。C-V特性の解析から、この効果が、固定電荷密度の増大に起因していることが分かった。 3.反射防止層としての検討 SiN膜が反射防止層としても期待できることから、SiN/SiO_2二層膜の反射率の評価を行った結果、SiO単層膜と比べて、総合的に極めて良好なパッシベーション膜を構成できることが実証された。
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